経営者インタービュー詳細
VOL.115
- 投稿日:2023.5.24
- 編集日:2023.5.24
業種の枠、そんなの気にしていません。皆さんのお役に立てるならやれる事はやりますよ。木材屋ですけどね。
マルヨ藤井木材株式会社
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代表取締役社長藤井 弘之
私が、高校一年生の時に、父が勤めていた木材屋さんが廃業することになったんですね。その時に、その木材屋さんの取引先の皆様の勧めとバックアップで独立に踏み切ったそうです。
私が、入社したのは高校卒業後です。そして、今から10年ほど前に先代の父から引継ぎの依頼を受けて代表に就任しました。
なんせ、物心ついたときから父の職場である木材屋さんを遊び場のようにしていましたから、木という存在が自然に私の生活の一部になっていたんですね。ですから、いざ仕事をすると考えたときには、他の業界へ進むというより父の会社に入るというほうが私にとっては自然だったんです。
地元というのが大きい理由ですね。先代の父は、独立当時宇治で事業を始めたんですが、ご縁を頂いて現在のこちらに戻ってくることが出来ました。
改修工事等の現場で急に発生する決め事に対する提案や敏速な対応については自信を持っています。私は、ただ、モノを販売して終わりと言う訳ではなく、一緒に一つのモノを作っているという意識を持って一件一件取り組んでいます。その為、自分からどんどん現場へ出向いて行って、お互いの仕事をリスペクトできるようなコミュニケーションを取るように心がけています。
工務店さんや建設会社さんの工事を円滑に進めるためには、無くてはならない存在になりたいと考えています。弊社と同じように木材を取り扱う大手商社が面倒で細かいと判断して二の足を踏むようなお仕事にも対応していくことが弊社なりの貢献だと考えています。
弊社は、少数精鋭の会社なので、業種の枠にとらわれず弊社に出来る範囲の事でやれることはやらせて頂いています。例えば、材木の加工や大工仕事とかです。また、取り扱う木材が商品であることは間違いないのですが、私を含め働く従業員それぞれが、「自分を商品」として考え行動することで、弊社のような少数精鋭の会社は存在価値を出していかないといけないと考えています。
弊社の従業員の皆は、「真面目で素直」という一番大切なものを備えてくれている頼りになる存在です。一人一人が会社の要として、本当によく頑張ってくれていると感じています。そんな皆に口うるさく言うようなことは無いのですが、何にでも感謝してほしいということだけは伝えています。面倒だなぁと感じるのは気持ちがどこかでテングになっているときなので、謙虚な気持ちをもって、必要とされていること、声をかけてもらえることに感謝の気持ちを持ち続けて欲しいと思っています。
木材の魅力を一言で語ることは非常に難しいですが、木材の魅力の代表的なものに「経年美」が挙げられると思います。現在の日本の家の多くは木が表立って見えませんが、日本の和風建築には木が表立って見える建物の良さがあります。木の経年美を感じられる日本の和風建築をしっかりと継承していくことで、木材の魅力を伝えていきたいですね。
街の商店街が大型ショッピングモールの出現で衰退していくように、弊社のような木材屋は大手商社の影響を受けています。その為、衰退産業的に感じられている業種なので、前にお話しした「木材の魅力」を伝えながら、存在価値を備えて提供できる木材屋になっていきたいと考えています。