経営者インタービュー詳細
VOL.12
- 投稿日:2023.5.23
- 編集日:2023.5.23
お客様も経営者仲間も 自分と関わる人は全員幸せにしたい
株式会社 長谷川土地
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代表取締役長谷川 俊之
この業界に入るキッカケとなったのは、大学時代の就職活動でした。父の会社については、私の兄が継ぐもんだと思っていましたから、将来家業を継ぐためとか、そういうことではなく単純に興味のあった不動産や建築系の会社ばかりを受けまくっていました。結果、大きいところから小さいところまで、受けた全ての会社から内定を貰ったんです。そして、「さて、どこに行こうか?」と考えたときに、「どうせやるなら厳しい会社に行って、修行のつもりで自分を強くしよう!」と、考えて大手のカウンターセールスではなく、ドクターを対象とした投資用分譲マンションのテレアポ営業の会社に入ったんです。入ってみると、それはそれは想像以上に厳しい環境でした。入社して1年経つと、同期はいなくなっていました。そんな会社で徹底的に仕事に打ち込んだ結果、入社2年目から退職まで、ずっとトップセールスだったんです。そんなときにふと同業他社と給料を比べたときに、「え?何年もトップなのにこれだけ?」と思ってしまったんです。何とかならないかと思って社長に直訴と言いますか相談をしたのですが、どうにもならなかったのでスッと退職することにしました。当時の職場は大阪だったので、次は地元の京都で仕事をしようと戻ってきて、大手の不動産仲介の会社に入ったんです。そして、その会社でもうまくいって入社早々トップセールスになれたんです。そして、6年目を迎えたときに栄転が決まりました。その栄転先は大阪でした。大阪で働き始めて、地元の京都に戻ってきて、また大阪に行くことになった訳です。この時に、「不動産業って、もっと地域に根差してやるもんじゃないのか?」という疑問が出てきて、ここもスッと退職しました。それからは、私が退職する数か月目に退職したOBが作った会社を一緒にやってくれないか?という依頼を受けて入社して8年ほど経過した頃、父が70歳過ぎになり父自身が「これ以上不動産というデリケートな仕事を続けるのが怖くなったから、会社をたたもうと思っている。」と言われたんです。当初、会社を継ぐと思っていた兄は住宅メーカー一筋だったので、私が、「今まで親孝行らしいことなんてしてこなかったから、自分が継ごう。」と決心し7年前に会社を継ぎました。
弊社は、昭和63年にこの太秦の地で創業していますので、今年で34年になります。それに伴い、宅建の更新が間もなく10回を迎えようとしています。京都には数多くの不動産会社がありますが、更新を10回している会社はそうそう無いんじゃないかと感じています。そういう面では、太秦のみならず周辺の地域の皆様には周知していただけていると感じています。そんな弊社は、個人のお客様の不動産売買や賃貸をしているのですが、事務的な一部の仕事以外のほぼ全ての業務を私一人でやっているんです。周りの経営者仲間からは、「スタッフを雇ったら?」なんて言われますが、会社員だったころに、スタッフを雇って育てる大変さも喜びも経験していて、今はそういうことよりも一人で気楽にやる方が自分に合っていると思っているので雇わないんです。こんな風に私一人で何でもやっていますので、私が私自身を経営者として意識することはあまりありません。
これは、投資用分譲マンションの営業をしていた時に学んだことが生きています。当時、売り上げの良い上司は営業力があることは当然なのですが、持っているお客様の数がメチャクチャ多かったんです。単純に、「なんでこんなにお客様の数が多いんだろう?」そんなことを注意深く見ているとその上司は、「お客様がお客様が呼んでいる。」という状態だったんです。つまり、お客様からの紹介件数が多いんです。この時に、「自分のファンが増えると強い。」ということを痛感して、それからお客様から紹介を頂くために、いかにお客様を大切にするかということを考え抜いて活動をしたところ、2年目からトップセールスになれたんです。当時のこの経験から、現在も全てのお客様を大切にすることに努めることで、ありがたいことに新規顧客の大半は、既存のお客様からご紹介頂いています。
「人を幸せにしたい。」私の根底にはこんな思いが流れています。お客様からご紹介を頂けるのも、目の前のお客様が、「どうすれば、今よりも幸せになってもらえるのか?その為に、自分に出来ることは何か?」を考え抜いて私に出来ることを出来る限りやらせて頂いているからなんだと思っています。また、「人を幸せにしたい。」という思いを持っているのは、お客様に対してだけではなく、同じ経営者仲間のように私の周りにいて自分と関わる人は全員幸せにしたいと考えています。
やはり、今なお続くこのコロナ禍を踏まえてどうなっていくのかというのは無視できない重要な要素だと考えています。ホテルの建築バブルが終わり、バランスの崩れた京都の不動産市場がいつ元に戻るのか熟慮しております。また、業界に関わらず今も続くコロナ禍の影響で大変な思いをされている経営者の皆様が私の周りにはいらっしゃいます。弊社も決して楽な状況ではありませんが、そんな皆様の力に少しでもなりたいと本気で考えています。「人は万人受けするもんじゃない。」ということを前提に考えると、今私の周りにいる皆さんとはお互いにどこか惹かれあう部分があるわけですから、そんな惹かれあうほど好きな皆さんをいかに助けるかということを追求していこうと考えています。