経営者インタービュー詳細
VOL.20
- 投稿日:2023.5.23
- 編集日:2023.5.23
自分が”トキメクこと” それだけにフォーカス これが私の差別化
十三夜
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オーナー佐藤 夢夏
一番最初にこの業界に入ったキッカケは学生時代のアルバイトでした。そして、大学を卒業してから一般企業に就職して総務部で経理の仕事をしていました。当時は、後輩も出来てグループの長のような存在で、仕事もやりがいのある仕事をさせてもらっていたので毎日楽しく過ごしていました。そして、その会社で勤め始めて8年程経ったある日、学生時代アルバイトをしていたラウンジのママから、「体力的にしんどくて、もう辞めようと思ってるんやけど、あと継がへんか?」と連絡があったんです。突然の話の上、当時の仕事に不満らしい不満もなかったので迷いはしましたが、「面白かったからやってみよう!」と思って会社を辞めて後を引き継ぐ決断をしたのですが、「さぁこれから!」というタイミングで何とそのママが、「やっぱり辞めへん!」と言い出したんです。ですから、やむを得ず共同経営というかたちをとってお店の運営を始めたのですが、ママとアルバイトという関係が、経営者と経営者という関係になると、ものの見事に上手くいかなかったんです。その為、早々に私の方から身を引き自分でやろうと決意し、お店を出すことにしました。それが、2018年9月の事です。
一番初めに出したお店が手狭になって、2020年3月に今のお店に移って来たんです。そして、それからすぐに1回目の緊急事態宣言が出ました。それによって、お店の営業が出来なくなったのでしんどい時期ではありましたが、お客様皆様に気にかけて頂き、助けて頂いて何とかやってこれました。そんなコロナ禍よりも辛かったのは開業時です。なんせ、開業するに当たって計画的に準備をして独立したわけではありませんので、とにかくお客様が少なかったんです。お店を開業するに当たり、お店を始める旨の案内状を出せたのは何と17人。当然皆様が毎日お越し頂けるわけではありませんので、そう考えると少なすぎます。ですから、毎日毎日お会いする皆様にお店に来て頂けるようにお願いしまくっていました。そして、そういった活動と同時に、「他のお店との差別化」なんていう事も考えましたが、具体的な差別化の方法なんて分かるはずもありませんでした。ですから、その時の私は、お店の内装から家具や調度品、そして私自身が着る服までも、私自身が“トキメクもの”で揃えたんです。そうしたら、時間の経過と共に私のトキメキと波長の合うお客様が集まってくださるようになり、「お客様が少ない!」という危機的状況から脱出することが出来ました。
お店を始めてから約3年半経過しますが、始めた当時から変わっていないのは、「経営者としての意識」です。周りから、「創業当時は大変やったな!」とか、「経営者って大変でしょ!?」とか、そういうことを言われたり聞かれたりすることがあるんですね。確かに今思い返すと楽ではなかったと思いますが、その渦中にいるときはそこまで大変だと感じていませんでした。でもそれは、ある意味楽観的になれる材料があったという事ではなくて、大変だと感じる以前にとにかく一所懸命だったんだと思います。そして、一生懸命なのは今も全然変わらないので、そんな一生懸命な私の姿を見て今も「大変そうやな・・・。」と感じて色々とご支援くださっている皆様がいらっしゃいます。本当にありがたいことだと考えています。
私は、お話することが得意ではないんです。ですから、いつも聞くことに徹しています。そして、お客様のお話を聞くときは、自分の意見を持つのではなくて、お客様がお話になられるどんな意見でも、「こういう意見もあるんだ。」と受け取るようにしています。でも、中にはどうしても違和感を感じてしまうお話や意見もありますが、その時はそのお話や意見に反発するのではなくて、「どうして、そう考えるに至ったのか?」ということを一歩踏み込んで聞くようにしています。そうすると次第に、そういうお話や意見の至った経緯が見えてきますので、お話をすすめるうちに自然にそのお客様の事が好きになっていきます。こうすれば、はじめは違和感を感じたお客様でも好きになって、次またお店にお越し頂けるんです。
ちょっと気持ちが沈みがちな時はありますが、そんな時はありのままのことをお客様に話しています。そうすると、お客様から気分が上がるようなことを言ってくださるんです。そんなお客様で溢れているこのお店にいれば、モチベーションを特に意識することはないように感じています。
近い将来、「効率の良い社会貢献」をしたいと考えています。米百俵の精神というのでしょうか。例えば、私の地元のこれから大学進学を目指す学生一人に対して、授業料等経済的な支援をするのではなく、その地域に誰もが勉強できるような施設を作って、地域の学生の進学支援を行うといったようなことです。今すぐとなると難しいかもしれませんが、来るべきタイミングで私に出来そうな社会貢献があれば積極的にしていきたいと考えています。