経営者インタービュー詳細
VOL.34
- 投稿日:2023.5.23
- 編集日:2023.5.23
「あんた、会社やるか?」この一言から私の経営者人生がはじまりました。
有限会社 石田伊太郎商店
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取締役社長橋本 辰也
随分昔の話にはなるのですが、私がまだまだ若かった頃、父親の友人が弊社で営業部長をやっていたんです。その父親の友人の営業部長に、「ウチに来ないか?今ならナンバー2になれるぞ。」と言われ、期待感に胸を躍らせて入社しました。
はじまりは、前社長が脳卒中で倒れたことでした。これに端を発し、すべてが急激に動き始めました。前社長が倒れてから現場から内勤へと異動し、総務部長、副社長とキャリアを積んできました。そんな時突然、前社長より「橋本さん、あんた会社やるか?」と、そんな話しをされたんです。当時から、実質私が会社の運営をやっていたので驚きこそしましたが、私は即「はい。やります。」と、答えました。これが、私が会社を継承した経緯です。
3年程度ですね。
代表に就任する前からずっとそうだったのですが、会社の事務方が全員前社長の親族だったんですね。この組織構成も約3年程度の時間をかけて一新しました。
私が社長に就任するまでは、対外的にあまり積極的な営業活動は行っていませんでしたが、私が社長に就任してからは、積極的に営業活動をはじめとした能動的なアクションも行うようになりました。また、私が一番力を注いだのが、「利益率の追求」です。
私が就任するまでは、とにかく在庫量が多かったんです。そこにメスを入れました。お客様が何を求めているのかを徹底的にリサーチしました。そのリサーチ結果をもとに、お客様が求めている商材をストックし、逆に需要の少ない商材や不必要な商材は在庫を持たないようにしました。また、お客様の要望やニーズにさらに深く応えるために金属加工の機械の導入も行いました。結果、就任以前の利益率と比較すると現在は約2倍の利益率を確保しています。
現在、私の弟が現場を取り仕切ってくれているのですが、これも大きいです。攻めにも守りにもどちらにも全力で取り組むことができるんです。
2021年は、我慢の年になるだろうと覚悟しています。しかしながら、M&Aも検討していますので、我慢と言いながらも攻める姿勢は崩していません。世の中がこのような状況ですが、「攻めと守り」どちらか一方に偏るのではなく、そのバランスは取っていきたいと考えています。
◇取材後記
「経営改革」や「組織改革」。それをやったという経営者とも多く話す機会があるが、改革とは本来、橋本社長が行ったこと、これから行おうとしていることを指すのではないのだろうか。「たった一度の人生、幸せに生きよ。」この理念のもと、橋本社長の改革は続くのだろう。