経営者インタービュー詳細
VOL.42
- 投稿日:2023.5.23
- 編集日:2023.5.23
"ナンバーワン"よりも"オンリーワン"そういう会社でありたい
株式会社デグナー
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会長世古口 亨
大学を卒業してから勤めたのは電子部品製造メーカーです。そこで営業をやっていました。当時の仕事自体は、バイクとは全く関係のないものでしたが、趣味で乗っていたバイクが好きで好きでたまらなかったんです。高校生の時にオートバイに乗り始めて、社会人になった23歳の頃から5年間、本格的に全国のレースに参戦するくらい本気でバイクに乗っていました。ロードレース国際A級のライセンスも持っいましたよ。
神戸で友人がフルオーダーのレーシングスーツ屋をやっていたんですね。1980年代の当時は、よくレーシングスーツが売れた時代だったんですよ。そんな時代だったので、私自身がよくレーシングスーツの相談を受けたんですが、その度に神戸の友人のお店を紹介していたんですね。そんなことをしていた時に、その神戸のレーシングスーツ屋の友人に、「京都でやらないか?」と言われたんです。これが独立するキッカケになりました。それから、手持ちの100万円、退職金20万円、金融公庫からの借入160万円を元手に若いスタッフを一人雇ってミシンを1台置き、小さなお店をスタートさせました。それが、1987年3月20日。デグナーの始まりです。
創業当初から、現在も弊社が得意としている「革つなぎのレーシングスーツの修理」をやろうと考えていたんですね。なぜ、レーシングスーツの修理に目を付けたかというと、大手は修理をやりたがらないんです。更に、いざ修理を依頼すると修理完了まで2ヶ月くらいかかるんですね。そこをウチでは1週間でやるんです。そのために、創業当初一緒に始めた若いスタッフに神戸の友人の元へ修理の修行に行ってもらいました。そして、彼には修理を中心にやってもらい、私は、あちこちにあるバイク屋さん等を営業して回ったんですよ。創業当時は、そういうことをやっていましたね。それから、時代の流れとともに修理やオーダーのレーシングスーツだけではなく、革ジャンや革パンツ、ブーツ、革のカバンやナイロンバッグと時代と共に着々とアイテムのラインナップを増やして現在に至ります。
お店をやるなら幹線道路沿いでやると決めていたんですよ。ですから、創業当時も現在のこちらの場所からほど近い新幹線の高架下でスタートさせました。また、現在の弊社の得意な分野は何といっても創業当時から力を入れている修理ですね。現在では、革つなぎのレーシングスーツの修理だけではなくて、革製品全般の修理も承っています。
お客様と密着して、より良い製品を適正価格で提供することだと考えています。どういう事かと言いますと、弊社で4万円で提供している革ジャンがあったとします。その革ジャンが他メーカーの同等クラスの品質の革ジャンだと6~8万円する訳です。また、弊社の革ジャンや革パンツ、ジーパンには見えないところにプロテクションは入っています。これは、かっこよく着てもらうのは当然として、より安全に走ってもらいたいという想いからなんです。かっこよくて安全で、尚且つ適正価格で提供させて頂くことで、お客様から求めて頂きやすくなると考えています。そうして、出来るだけ多くのお客様に弊社の製品を身に着けて頂くことで、一人でも多くの方に安全に走ってもらいたいと願っています。これが、弊社のお客様への貢献だと考えています。
弊社はメーカーなんですね。企画やデザインから始まって、制作、販売まで全て一貫して自社で行います。これによって、素材の選択、流通コストの削減まで徹底的にコスト管理をして適正な価格を実現しています。また、「革」というのはとてもローテクな素材なんです。値段と品質が比例しないんですね。一万円の革と二万円の革を比較しても必ずしも、二万円の革が優れているとは限らないんです。ですから、弊社では材料の選定にも相当のこだわりを持っています。そうすることで、高品質の製品をリーズナブルな価格でご提供することが出来ています。
弊社は、メーカーなんですね。ですから、メーカーとして「ナンバーワン」を目指すのではなく、「オンリーワン」を意識して、現在よりももっとお客様に喜んで頂ける商品を作っていきたいと考えております。そして、直近では、弊社の製品をご評価くださるお客様が多くいらっしゃる関東圏へも、ここと同じように弊社の全アイテムを実際手に取って選んで頂ける店舗を出店したいと考えております。そういう店舗展開を通じて、日本全国の一人でも多くのお客様のバイクライフの充実に貢献したいと考えております。また、コロナ禍の様子を見ながらアジア圏への積極的な進出も行っていきたいですね。