経営者インタービュー詳細
VOL.46
- 投稿日:2023.5.23
- 編集日:2023.5.23
ハンバーガー屋?いやいやDINERですよDINER
スイングバイ
/
代表森口 亮
順を追ってお話すると、昔、20年位バンドをやっていたんですよ。それで、その時バンドをやりながら木屋町でバーをやっていたんですよ。バーをやってましたから、どうしても生活は夜型になる訳ですよ。夜に家を出て朝に帰ってくる。それも、酔っぱらって。それで、そういう生活を送っていた時に結婚したんですよ。それを機に、夜型の生活を昼型の生活にしないといけないなって考え出したんですね。
昔ね、アメリカに住もうって真剣に考えていた時期があったんですよ。それで、実際にアメリカに渡って2ヶ月くらい色々な地域を見て回ってたんですね。その時って、予算というか資金にも限りがある訳で、節約するためにどこに行ってもそこにあるDINERで食事をしていたんですよ。アメリカのDINERの節約メシの定番って、そりゃハンバーガーな訳ですよ。それでよくハンバーガーを食べてた訳ですけど、それと一緒にアメリカのDINERを構成している文化や雰囲気、流れてる音楽といったハンバーガー以外のDINERの要素も自然と身体に染み込んでいったんです。そんな経験を持っている自分が仲間と「やるなら何がいい?」みたいな話をしていた時に、知り合いのイタリアンの料理人が、「ハンバーガーなら修業は必要ないから、やったら面白いんじゃない?」って提案してくれたんです。
元々、自分は20年もバンドをやっていましたし、周りの仲間も音楽好きで気の合う仲間が多かったんですよ。そんな仲間達に、 DINERをやろうと思うって話をしたら、「 DINER ?いいね!」って言って色んな仲間が力を貸してくれたんです。それから、ハンバーガーとか商品づくりは料理人の仲間が助けてくれてどんどん仕上がっていったんですね。そこに、自分がアメリカで学んだ本場のDINERの文化や雰囲気を注ぎ込んでこの「58 DINER 」が出来ました。この岡崎エリアを選んだのは、ずっとバーをやっていた木屋町の喧騒から少し距離を置きたかったからなんですね。あと、昼間の人通りを含めた環境もここに決めた大切な要素です。
他の業種や業界はよく分からないので、ハンバーガーに限って言うと、ハンバーガーを料理をとして捉えるか?それともビジネスとして捉えるか?っていうのが分かれ道な気がしています。流行りに便乗するのは、良くも悪くもビジネスですよね。それが悪いと言うつもりはないのですが、永く続け辛いんじゃないですかね。実際、ブームの時に出来たお店で今も続いている店ってゼロとは言いませんが多くないと思いますよ。自分たちは、ハンバーガーを料理として捉えるのは勿論ですが、お越し頂いたお客様には、自分たちのハンバーガーやそれを構成するバックボーンも料理と一緒に提供しているんです。そんなハンバーガー屋さんって中々ないんじゃないですかね。
「この店知ってる俺ってカッコイイやろ?」とか、「こんないい感じの店でビールを飲みながらハンバーガー食べてる俺ってカッコイイやん…。」とか、そんな感じで、ここに来て自分自身を愛せる瞬間を提供出来ればと思っています。また、ハンバーガーってジャンクフードみたいなイメージを持たれがちですが、うちでは素材や材料、調理の仕方にもこだわりを持っていて、美味しいと言うことはもちろん、目にも楽しく、地球や環境にも優しいということを相当大事にしています。そして、ミシュラングリーンスターを獲得することを目標の一つに掲げていますので、これによって色んな意味で社内的にも対外的にも向上していきたいと思っていて、そういう意識を持つことが結果的にお客様に対する貢献になるのだろうと考えています。
「とにかく考えろ。自分で考えろ。」ということは、ずっと言い続けています。ハンバーガーの作り方を教えてくれと言われれば教えることは出来るんですが、教えてもらうばかりじゃなくて教えてもらった後に考えることが大切だと思うんですよ。やっぱり料理って考えて作らないと作れませんから。それに、料理だけじゃなくても、考えることは重要だと考えていて、考えるということをしないと何かの答えが見つからないばかりか、問題すらも見つからないなんて言うことになりかねないと思うんですよ。また、今後もこのハンバーガーというクラシックな料理を古ぼけさせない為に、世界のトレンドを取り入れたり、料理人以外の感度の高い人たちからアドバイスを頂いたりして現代的な切り口を取り入れていこうと考えています。そして、若者たちがしっかり夢を追える場や未来に対しての様々な選択肢を提示してあげることが出来るような環境を作りたいと考えています。