経営者インタービュー詳細
VOL.57
- 投稿日:2023.5.23
- 編集日:2023.5.23
72年間じっくりみてきましたけどね「やっぱり京都はおもしろい」そう思います
株式会社 アド・京都
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代表取締役松本 修一
大学卒業後は、広告代理店に就職したんですよ。それでバリバリ営業をやっていた時に、東京でリビング新聞があることを知ってそれを京都でもやろうということになったんですね。そして、その事業の責任者に抜擢されて支局長になりました。それから、数人の仲間と共にどんどん事業を拡大していったときに、本社に戻ることになったんですよ。それまでの成果を評価してもらえたこともあり、悪くないポストだったのですが退屈だったんですね。そんな時に周りの同僚がちらほら独立しだしたんです。私もその流れに乗って1987年3月に独立して株式会社アド・京都を設立しました。
独立してしばらくは、順風満帆という言葉がピッタリ当てはまるくらい全てが順調でした。売り上げは着実に上がっていましたし、従業員の数も増えていました。しかし、そんな時期はそう長く続かなかったんですよ。大阪の広告代理店がどんどん京都へ進出してきたんですね。それから、値引き合戦が始まったんです。これのお陰で瞬く間に利益率が10%下がりました。「これは、マズイ!」と焦りましたね。そんな時に、現在も健康食品事業で大成功されている有名な会社の経営者さんとお話させて頂く機会があったんです。その時こんなアドバイスを頂いたんですね。それは、「人と同じことをしていたらアイミツを取られて終わる。アイミツを取られないことをしないといけない。」というアドバイスです。
そのアドバイスを頂いたことがターニングポイントになったように思います。そして、目を付けたのが「修学旅行生」だったんですね。それから、色々リサーチしていくうちに、修学旅行を企画する旅行会社や引率の先生の多くに共通する悩み事が分かったんです。それは、「夕食後19時から、入浴時間20時まで生徒に何をさせるか?」ということだったんです。その1時間を自由時間にでもして、外で他校生ともめ事でも起こされたらたまったもんじゃないですからね。
扇子や陶器の絵付け体験です。当時の修学旅行の定番コースの中に清水焼の絵付け体験っていうのがあったんですね。皆で観光バスに乗り込んで窯元まで行くわけです。私は、これを旅館やホテルに持ち込んだんです。出張絵付け体験ですね。これは、評判良かったですよ。めちゃくちゃ忙しかったです。ただね、一つ重大な問題があったんです。それは、「体力の問題」です。家内と二人でやっていたんですが、昼間は広告代理店として活動して、夜は旅館やホテルに出張して絵付け体験をやる訳ですよ。絵付け体験っていうのは、終わってから筆だ何だと大量の洗い物が出るんです。それを家内と二人で朝4時くらいまでかけて洗ってドライヤーで乾燥させてってことをやる訳です。それも毎日。こんな事ずっと続けたら体が壊れると思ったので、それに代わる出張サービスとして舞妓さんと狂言の出張を始めたんです。舞妓さんと狂言なら、送り迎えだけで済みますからね。
忙しくなりましたよ。何せ、舞妓さんや狂言の出張が出来るなんて誰も夢にも思いませんからね。当初は、修学旅行生を対象にしていたのですが、すぐに企業からも声が掛かるようになったんです。2007年4月から舞妓さんや狂言の出張を始めたのですが、2010年6月7月なんて日本政府からの依頼で上海万博に行きましたよ。また、国産車メーカー各社が年に一回海外支社の外国人の優績者を日本に招いて表彰式やイベントを開催するんですね。そういうときにも声を掛けてもらいましたね。
少なくとも弊社と同じことをやっている会社はないと思いますよ。私は、聞いたことは無いですね。舞妓さんを呼ぶということだけを見ると、京都の料理屋さんや旅館がそれぞれ繋がりのある舞妓さんを個別に宴会などに呼んでいるようです。弊社のように、日本全国世界各国どこでも出張しますと言っているのは、流石に弊社だけでしょうね。だから、上海万博に呼ばれますし、日本全国のロータリークラブや日本全国の法人の周年行事に呼ばれるんだと思いますよ。
まず、最近上京区役所と一緒になって取り組んでいる「上京の街歩きイベント」を活発にしていきたいですね。京都観光にいらっしゃる旅行者の皆様だけでなく、京都にお住いの方でもまだまだご存知でない京都があるはずなので楽しんで頂けると思っています。このような活動を通して、出来るだけ多くの皆様に京都の文化や歴史を面白おかしくお伝えして、後世へ伝えていきたいですね。こういう活動を継続していれば、国内外問わず観光や修学旅行で京都を訪れる方が増えていくと信じています。