経営者インタービュー詳細
VOL.73
- 投稿日:2023.5.24
- 編集日:2023.5.25
清掃を通して 今、目の前にある私に出来ることに全力で取り組む
奏美株式会社
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代表取締役小原 健吾
私は、26歳の時にカンガルーポケッツというバンドでデビューしたことがあるんです。米〇クラブと同じ事務所でしたよ。そのバンドでの活動は数年で終わったのですが、36歳まで東京でソロ活動をしていました。それから、一旦プロとしての活動に目処をつけて京都に戻って来たんです。そして、清掃業最大手の代理店に入社したんです。結局、その会社では約10年間お世話になったのですが、私の親がずっと商売をしていたということもあり、会社員として働きながらもいずれは独立したいという思いは持ち続けていました。そして、あるキッカケで独立することになるのですが、いきなり個人で掃除の会社を立ち上げるよりも、ブランド力が必要なんじゃないか?と考えておそうじ本舗のフランチャイズに加盟することにしたんです。しかし、代理店時代は、マットやお掃除道具のレンタルやリースの部署と、害虫駆除の部署での仕事しか経験が無かったんです。清掃の会社に10年いましたが、「掃除」に関しては全くの素人だったんです。掃除の技術については現在も勉強中ではありますが、独立当初は今以上に大変でした。
私たちがさせて頂くお掃除は、個人のお客様のお宅にお邪魔することも多いんですね。個人のお客様のお宅にお邪魔すると、掃除の最初から最後までお客様が見ていらっしゃるなんてことがあるんです。飲食店の閉店後のお掃除や、ビルやマンションの共用部分などの掃除と違って、お客様が近くにいらっしゃることが多いので気配りや心配りが必要だと考えています。それに、お客様からするとどんな担当者が来るのか不安に思われていることと思います。ですから、先程申し上げました気配りや心配りと併せて、コミュニケーションも大切にしています。このように、掃除の技術や仕上がりは勿論の事、それ以外のところにも可能な限り配慮し安心感を提供するように心掛けています。「お掃除の仕事において、お客様は人につく。」そうのように考えています。
一般的に、独立するまでには、学校を卒業してから会社に勤めたりするなかで様々な経験を重ねて独立すると思います。しかし、私にはその経験がほとんどないんです。音楽の世界から、掃除の業界に入りましたから。ですから、少なからず過去の経験にコンプレックスがあることも事実です。しかし、そこに囚われていても仕方がないので、まだまだ経営者として未熟ではありますが、そんなコンプレックスなんて気にならないくらい素晴らしい経営者になれるように日々様々なことにアンテナを張りがむしゃらに取り組んでいます。
私たちは、当然ですが掃除のプロな訳です。ですから、プロならではの視点と言いますか、一般のお客様では中々気付き難いようなことをアドバイスしたりするように心掛けています。例えば、最近の住宅は気密性が高いのでLDKにおいては、キッチンと繋がっているリビングにも油が回りやすいんです。その為、換気扇の清掃のご依頼を受けた場合に、リビングのエアコンも汚れている可能性が高いですよというようなお話をしたりします。また、セールスとか宣伝とかではなくて、日頃お客様ご自身でやって頂けるケアの方法を惜しげもなくお伝えしています。
現在は、ありがたいことにお仕事をご依頼頂く件数も多く、お陰様で多忙な毎日を送らせて頂いています。それ故、もう一人のスタッフと手分けして対応しているのですが、可能な限り同じ時間を共有するようにしています。そんな時間を共有することで、一件一件のお客様に対する私の思いや、実際の現場でのお客様との関わり方や対応の仕方を自分の背中を見せることで伝えられればと思っています。
家族の存在がモチベーションになっているのは当然ですが、昔の音楽仲間の存在も大きいです。石垣島で会社を経営していたり、個人事業で動画制作をやっていたりと、仲間がやっている色々な情報発信からその動向を見たり聞いたりするといい刺激になってモチベーションアップに繋がりますね。
私たちの仕事である清掃。この清掃を通して、今まさに目の前にある課題に取り組んでいくことに直向きに取り組んでいきたいと考えています。その結果がどういうものになるかは分かりませんが、結果的にそれが社会貢献に繋がるのであればとても嬉しく思います。また、清掃のプロとしてお客様に対して提供できるものは提供していきたいと考えています。例えばアルカリ電解水です。これは、油汚れに非常に効果的で、油と反応して油を浮き上がらせるとただの水に変化します。役目を果たせばただの水ですから、環境にもお肌にも優しい訳です。こういう製品やサービスをお客様に提供し続けられるような仕組みづくりにも、これからは取り組んでいきたいと考えています。